光の巫女 (幻想小説)

光の巫女

500人の賢者たちが集い、議論を交わした。彼らの議題は、”次の時代の希望を担う者”、すなわち、光の巫女の選定である。

候補に挙がったのは、星影の少女と月の歌姫。星影の少女は、澄んだ瞳で未来を見据え、繊細な表現力で人々の心を揺さぶる。月の歌姫は、透き通った歌声で人々に安らぎを与え、内に秘めた強さで困難を乗り越える。

しかし、議論は白熱し、決着を見なかった。そのとき、一人の賢者が、静かに口を開いた。

「二者択一ではなく、新たな光を照らす者こそ、真の巫女ではないでしょうか？」

賢者の言葉に、他の賢者たちも頷く。新たな候補として名があがったのは、太陽の輝き。彼女は、圧倒的な存在感と力強さで、周囲を明るく照らし出す。

太陽の輝きは、星影の少女の繊細さと、月の歌姫の強さを併せ持ち、さらにその上に、自身の光を放っていた。

「彼女は、まさに、新たな時代を導く力を持っている」

賢者たちの声は、もはや疑いを寄せなかった。

太陽の輝きこそ、光の巫女にふさわしい。

こうして、選ばれた彼女は、人々の願いを背負い、希望の光を灯すため、旅立つのであった。