君と歩く、未来への道 (青春小説)

君と歩く、未来への道

「ねえ、結婚式って、どうする？」

夕暮れの公園ベンチに座り、彼女はそう言った。彼の名前は、陽太。彼女は、美咲。二人は、高校時代からの恋人同士。

「え、結婚式？」陽太は少し戸惑った。結婚式？なんて、まだ想像もつかなかった。

「だって、そろそろ考えなきゃいけないんじゃないかなって。いつかは結婚するって、決めてるでしょ？」

美咲は、少し照れくさそうに言った。

「うん、もちろん。でも、結婚式って、正直よくわかんないんだよね。」

「え、そうなの？ドレスとか、ブーケとか、色々考えるの楽しいじゃん。」

美咲は、キラキラした目で言った。

「いや、そういうのはいいんだけど… なんか、古い感じがするんだよね。」

陽太は、言葉を濁した。

「古い？どうして？」

「だって、父親とバージンロード歩くとか、ファーストバイトとか… なんか、男は男らしく、女は女らしくって、決めつけられてる感じがするんだ。」

「えー、でも、そういうのが定番じゃない？」

美咲は、少し不服そうに言った。

「定番って、誰が決めたの？昔の人？」

「…そうかな。」

美咲は、考え込んだ。

「僕と美咲は、お互いが自分らしくいられるような、新しい形の結婚式をしたいんだ。」

陽太は、真剣な表情で言った。

「新しい形？」

「うん。例えば、バージンロードは、二人で一緒に歩くとか。ファーストバイトは、お互いに食べさせ合うとか。そして、僕たちの結婚式は、僕たちだけの物語にしたいんだ。」

陽太は、美咲の手を握りしめた。

「…いいね！それなら、絶対に素敵な結婚式になるね！」

美咲の顔は、再び輝き出した。

二人は、新しい形の結婚式に向けて、話し合いを重ねた。

「招待状も、手作りにしようよ。」

「会場も、落ち着いた雰囲気の場所がいいよね。」

「誓いの言葉も、二人で考えよう。」

二人の結婚式は、伝統にとらわれず、自分たちの想いを表現した、温かくて、自由なものであった。

そして、結婚式当日。

陽太と美咲は、二人でバージンロードを歩き、誓いの言葉を交わし、指輪を交換した。

「美咲、君と結婚できて、本当に幸せだよ。」

「陽太、私も。これからは、二人で、たくさんの夢を叶えようね。」

二人の未来は、輝かしい光に満ち溢れていた。