香りの魔法にかかった少女 (ライトノベル)

香りの魔法にかかった少女

「さあ、あなただけの香りを創りましょう！」

煌びやかなショーウィンドウが目に飛び込む。そこは、都心のオアシス、新宿のデパート。べにまるデパートだ。

高校生の彩香は、友人の美咲と、クリスマスのプレゼントを探しにやってきた。賑わう店内を歩いていると、ひと際華やかな空間が目に入った。そこは、わくわくなという、香水専門店。

「わあ、素敵！」

美咲は、色とりどりの香水瓶に目を輝かせる。彩香も、甘い香りに包まれ、心が躍る。

「彩香ちゃん、香水作ってみない？」

美咲の提案に、彩香は少し戸惑う。

「私、香水なんて、よくわからないよ…」

「大丈夫！お店の人が丁寧に教えてくれるから。きっと、あなたにぴったりの香りが作れるわ！」

美咲の言葉に後押しされ、彩香は勇気を出すことに。

「いらっしゃいませ。本日は、どのような香りをお探しですか？」

笑顔が素敵な店員、香織さんが優しく迎えてくれた。

「あの、香水作りって、どんな感じですか？」

「お客様の好きな香りを教えていただければ、そこからオリジナルの香水を作れますよ。色々な香りを試して、あなただけの特別な香りを探しましょう！」

香織さんの言葉に、彩香はわくわくした。

様々な香りを試しながら、彩香は自分の好みの香りを探していく。甘くフルーティーな香り、爽やかなシトラス系の香り、深みのあるフローラルの香り…。

「この香りは、私のイメージにぴったり！」

彩香は、みずみずしい柑橘系の香りをベースに、華やかなバラの香りを加えた。そこに、ほんのり甘いバニラの香りを重ねて、オリジナルの香水が完成した。

「素敵ですね！彩香さんらしい、明るい香りができました！」

香織さんの言葉に、彩香は嬉しそうな笑顔を見せた。

「自分だけの香水って、本当に特別な感じがする。大切に使うね！」

彩香は、完成した香水を手に、幸せな気持ちでお店を出た。

「彩香ちゃん、素敵な香り！まるで、魔法にかかったみたい！」

美咲も、彩香の香りに魅了されている様子。

クリスマスのプレゼント探しは、予想外の展開で、彩香にとって忘れられない思い出になった。

「また、一緒に香水作りに行こうね！」

美咲の言葉に、彩香は大きく頷いた。

二人の足取りは、冬の街を軽やかに進んでいく。

わくわくな匂いでの体験は、彩香の心を、香りの魔法で彩った。