消えた弥勒さまと空飛ぶお経

飛鳥の都は、お祭り騒ぎだった。明日、お寺の若き僧侶、ショウタくんが、なんと巨大な弥勒さまの像とオンライン法話を開くというのだ!

ショウタくんは、都で一番の物知り博士。難しいお経も、子どもたちにもわかるように、歌や絵を使って楽しく教えてくれる。しかも今回は、最新の技術を使って、遠く離れた村の人たちとも一緒にお話を聞けるというから、みんなワクワクしていた。

法要の準備のため、ショウタくんは大きな弥勒さまの像の前に立っていた。弥勒さまは優しい顔で、まるでショウタくんを見守っているようだった。「明日、みんなを驚かせましょうね、弥勒さま」ショウタくんは嬉しそうに微笑んだ。

ところが、次の日の朝、大変なことが起きた!弥勒さまの像が…ない!

「大変だ!弥勒さまがいない!」ショウタくんの叫び声がお寺に響き渡った。みんな慌てて探し回ったが、どこにも見当たらない。あんなに大きな像が、まるで煙のように消えてしまったのだ。

オンライン法話の開始時間は刻一刻と迫ってくる。ショウタくんは困り果てた。すると、小さなお坊さん、ケンタくんが駆け寄ってきた。「ショウタ兄ちゃん、見て!」ケンタくんが指さしたのは、空高く舞うたくさんの紙だった。

それは、お経を書いた紙だった。一枚一枚が光り輝き、まるで鳥のように空を舞っている。そして、その紙たちが集まって、なんと、空に巨大な弥勒さまの姿を描いているではないか!

「これは…!」ショウタくんは驚きのあまり言葉を失った。

実は、夜中にいたずら好きの風の精霊たちが、弥勒さまの像を隠して、代わりに光るお経で空に像を描いてくれたのだ。

ショウタくんは、急いでオンライン法話を始めた。「みなさん、見てください!今日は特別な弥勒さまです!」

画面の向こうの村の人たちも、空に浮かぶ弥勒さまに驚きの声を上げた。ショウタくんは、いつも以上に心を込めてお経を唱え、仏様の教えを伝えた。

光るお経の弥勒さまは、ゆっくりと空を移動し、遠く離れた村の人たちにも、仏様の優しい光を届けた。

法話が終わると、空の弥勒さまはゆっくりと消えていき、隠されていた弥勒さまの像も元に戻っていた。風の精霊たちからの、特別なプレゼントだったのだ。

ショウタくんは、風の精霊たちに感謝しながら、心の中で誓った。「これからも、たくさんの人に仏様の教えを伝えていこう」

そして、飛鳥の都には、ショウタくんと空飛ぶお経の伝説が語り継がれることになったのでした。

The Vanishing Maitreya and the Flying Sutras

  • 生成に使用したデータ
    • 小説のジャンル: 児童文学