灼熱のマディーナ ～禁断のミッキーと砂漠のロマンス～
灼熱の太陽が照りつけるマディーナ遺跡。新石器時代の静寂を破り、一台の改造ジープが砂煙を上げて現れた。降り立ったのは、灼けた肌に精悍な顔立ちのトレジャーハンター、ヴィンセント。両手に巨大なマンモス骨、腰にはヒョウ皮のスカート、そして耳には……ミッキーマウスのイヤリング。それは亡き母の形見であり、彼にとってはお守りのようなものだった。
ヴィンセントは遺跡の奥深く、古代の扉へと向かった。扉を開ける鍵は、母から受け継いだ謎めいた呪文。彼が低く詠唱すると、扉は重々しい音を立てて開き、中からは腐敗したミイラの大群……ではなく、一人の女性が現れた。
彼女は、エメラルドグリーンの瞳を持つ美しい考古学者、レイラ。砂埃にまみれながらも、その気品は隠せない。彼女はミイラの研究のため、単身この遺跡に足を踏み入れていたのだ。しかし、扉が開いた途端、古代の呪いが発動。レイラの体から不思議な光が放たれ、彼女の背後には、腐敗したミイラの大群が……ジャンボリーミッキーを踊りながら出現した。
「なんてこった……」ヴィンセントは呟いた。ダンシングミイラとの戦いなど想定外だ。しかし、それ以上に彼の目を奪ったのは、ミイラの群れを従えるレイラの姿だった。まるで古代の女王のように美しく、そしてどこか儚げな雰囲気を纏っていた。
レイラもまた、ヴィンセントの姿に目を奪われた。マンモス骨とヒョウ皮スカート、そしてミッキーマウスのイヤリングという奇抜な出で立ち。だが、その瞳の奥には、揺るぎない強さと優しさが宿っていた。
ダンシングミイラたちがヴィンセントに襲いかかる。彼はマンモス骨を武器に、華麗なアクションでミイラたちを蹴散らしていく。その姿は、まるで砂漠の嵐のようだった。レイラは、そんなヴィンセントの姿に心を奪われ、いつしか彼を応援していた。
戦いの最中、ヴィンセントのミッキーマウスのイヤリングが、レイラの放つ光に共鳴し、不思議な力が発動した。ダンシングミイラたちは動きを止め、光に包まれて消滅していった。呪いは解け、レイラはヴィンセントの腕の中に倒れ込んだ。
「ありがとう……」レイラは弱々しく呟いた。ヴィンセントは、彼女のエメラルドグリーンの瞳に見つめられ、心臓が激しく鼓動するのを感じた。
灼熱の砂漠、古代遺跡での出会い。それは、禁断のロマンスの始まりだった。ミッキーマウスのイヤリングが繋いだ二人の運命は、これからどんな物語を紡いでいくのだろうか。砂漠の風は、二人の恋の行方を見守っていた。
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- 小説のジャンル: 恋愛小説
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