奈良公園の鹿せんべい泥棒、ラバのランボー、ついに御用！精霊の加護を受けた家族総出で救出劇！ (ファンタジー)

奈良公園の鹿せんべい泥棒、ラバのランボー、ついに御用！精霊の加護を受けた家族総出で救出劇！

古都奈良、神聖なる鹿たちが集う奈良公園。そこには、鹿せんべいをこよなく愛するラバのランボーがいた。ランボーはただのラバではない。森の精霊に祝福され、人語を解し、二本足で立ち、鹿せんべいをかっぱらう名人芸を持つ異端児だった。

その日もランボーは、観光客の手から鹿せんべいを華麗に奪い、悠々と逃げ去ろうとした。しかし、長年の悪行がついに露見。公園の番人、鹿の化身である「鹿王」に見つかり、捕らえられてしまったのだ。

ランボーの捕縛を知った家族は、悲しみに暮れた。ランボーの妻であるラバのルビー、そして彼らの子供たち、やんちゃな双子のラビとルナ。彼らはランボーを救い出すため、森の精霊に祈りを捧げた。

すると、精霊たちの声が響き渡った。

「汝らの愛は深く、尊い。ランボーを救いたいという願い、聞き届けよう。」

精霊たちはルビーと子供たちに、三つの魔法のアイテムを授けた。

ルビーは羽衣をまとい、ラビとルナは剣と涙を携え、鹿王の城へと向かった。道中、化け狸や鴉天狗といった妖怪たちが行く手を阻んだが、太陽の剣の光と、ルビーの勇気ある突撃で撃退。ついに鹿王の城へとたどり着いた。

城は堅牢な石造りで、侵入は不可能に見えた。しかし、ルナが月の涙を城門に落とすと、みるみるうちに鉄の扉が溶けていった。

城内では、鹿王がランボーを厳しく問い詰めていた。

鹿王: 「なぜ、鹿たちのせんべいを盗むのだ！」 ランボー: 「家族が腹を空かせているんだ！鹿せんべいは美味しくて、つい…」

そこに、ルビーたちが飛び込んできた。

ルビー: 「ランボー！あなたを助けに来たわ！」

鹿王とルビーたちの間で激しい戦いが始まった。ラビとルナは太陽の剣で鹿王の攻撃をかわし、ルビーは羽衣で翻弄する。しかし、鹿王の力は強大だった。

その時、ランボーが叫んだ。

ランボー: 「もう、鹿せんべいは盗まない！だから、家族を傷つけないでくれ！」

ランボーの言葉に、鹿王は動きを止めた。ランボーの家族への愛、そして鹿せんべいへの強い執着を感じ取ったのだ。

鹿王はランボーを解放し、こう言った。

鹿王: 「二度と鹿せんべいを盗むでないぞ。もし、食べたいのなら、私に頼めば分けてやろう。」

こうして、ランボーは家族と共に森へと帰っていった。その後、ランボーは鹿王と約束を守り、鹿せんべいを盗むことはなくなった。時折、鹿王から分け前をもらい、家族で仲良く分けて食べていたという。そして、奈良公園には、ラバの家族と鹿たちが平和に暮らす、不思議な伝説が語り継がれるようになった。