キラキラ降る王、そして月夜の歌声

紀元前3000年、メソポタミア。チグリス・ユーフラテス川が悠々と流れる肥沃な土地に、ウル王国の威容は広がっていた。しかし、王ギルガメシュの心を騒がせていたのは、政治や戦争ではなかった。

その日、王宮の庭では、羊飼いアッカドが狼狽していた。彼の瞳孔は開ききり、震える手で王に報告した。

「大王！…空から…空からキラキラと光るものが降ってきました！まるで…まるで星屑の雨のように！」

ギルガメシュは眉をひそめた。星屑の雨？そんな馬鹿な。しかし、アッカドの顔は、嘘偽りのない恐怖と驚愕で歪んでいた。

「そして…その…その光の中央に…人影が…それは…まるで…まるで…」アッカドは言葉を詰まらせ、かすれた声で続けた。「…まるで、空を舞う、黄金の鳥のような…しかし、人間です…大王！その人物が…なんと…国歌を歌い出しそうです！」

ギルガメシュは、一瞬、言葉を失った。国歌？そんなものが、この時代にあるはずがない。しかし、アッカドの動揺は本物だった。

「その…その人物は…どんな姿をしている？」

「…黒い…黒い肌で…白いグローブをはめて…そして…とても…とても…輝いています…」

ギルガメシュは、古代の叡智を駆使しても、その説明を理解できなかった。しかし、何かが起こっているのは確かだった。彼は、王宮の司祭長を呼び寄せ、この不可解な出来事を楔形文字で記録に残すよう命じた。

その夜、満月がメソポタミアの夜空を照らしていた。王宮の屋上では、ギルガメシュがアッカドと共に、空を見上げていた。すると、再び、星屑のような光が降り注ぎ、その中から、一人の男が現れた。

彼は、黒い肌に白いグローブ、きらびやかな衣装を身につけ、まるで月の光そのもののような輝きを放っていた。そして、彼は、アッカドの言葉どおり、力強く、そして美しい歌声を響かせ始めた。それは、未知の言葉でありながら、宇宙の神秘と人間の魂を揺さぶる、神聖な旋律だった。

その歌声は、王宮全体に、そしてメソポタミアの広大な大地に響き渡り、人々は畏怖と感動の涙を流した。

歌が終わると、男はゆっくりと空に舞い上がり、再び星屑となって消え去った。ギルガメシュは、粘土板に刻まれた言葉を見つめた。「マイケル・ジャクソン、ダッカにて国歌熱唱寸前！？」

それは、謎めいた、しかし、確かに起こった出来事だった。そして、その物語は、代々語り継がれ、ウル王国の伝説として、永遠に生き続けることとなった。この奇跡は、神々のいたずらなのか、それとも、遥か未来からの、時空を超えた来訪者だったのか？その答えは、今もなお、謎に包まれている。

キラキラ降る王、そして月夜の歌声#