カーブルの星空の下、天使の雫
カーブルの夜空に、星々が宝石のように散りばめられていた。その一つ一つが、遥か彼方の宇宙からの、静かな愛の囁きのように感じられた。僕は、隣に座る君の横顔を見つめていた。漆黒の空を背景に、君の柔らかな輪郭が浮かび上がる。
ふいに、君の鼻先から、ほんの少しだけ、温かい牛乳が零れた。それはまるで、空から舞い降りた天使の雫のようだった。僕の心に、じんわりと染み込んでいく。その瞬間、僕は言葉を失った。ただ、君のあまりにも無防備で、愛おしいその光景に、ただ見惚れていた。
「大丈夫？」
絞り出した声は、我ながら不器用だった。君はくすりと笑い、指先で鼻先を拭う。その仕草もまた、僕をドキドキさせた。
「うん、大丈夫。ちょっと飲みすぎたかな。」
君の声は、夜風に溶けていくようだった。カーブルの静寂が、二人の間に心地よい空気を運んでくる。あの時、君が零した牛乳の温かさ。あの星空の、どこまでも続くような広がり。すべてが、僕にとってかけがえのない宝物になった。
この気持ちを、どう伝えたらいいのだろう。言葉では、あまりにも陳腐になってしまう気がした。でも、この宇宙の果てまで、この愛を届けたい。君の笑顔を、いつまでも守りたい。そんな切ない願いが、僕の胸の中で静かに燃え上がっていた。
カーブルの星々は、今日も静かに僕たちを見守っている。この夜空の下で、僕たちの青春は、まだ始まったばかりだった。
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- 小説のジャンル: 青春小説
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